呆然とする

母親の命日を忘れていた娘がここにいる。
確かに確執だらけの母娘関係だったけれど、だからと言ってそれが忘れていい理由にはならないし「忘れる」事で何らかの復讐を果たしているかのような自分に嫌悪感を持つ。
なんだか、自分は何の資格も無い人間のように思えて、自分に罰を与えなければならないような気がする。
本を読んでもドラマを見ても今までのように楽しくないし「母親を思い出さなかった訳じゃない、たまたま数字を忘れただけだ」と自分に言い聞かせても薄ら寒い。
さすがに「お前は冷たい」と母親に言われ続けたことだけはある。
彼女は間違っていなかった。