映画館

住んでいた隣町に映画館があって、就職した私はその町に通勤していた。
ある日、見たい映画があり友達と行く約束をしたので、職場から終業間際に「これから行きたいんですけど、今日の最終は何時ですか?」と確認すると「昨日はお客さんがいなかったのっで、最終はお休みしたんですけど、いらっしゃるなら大丈夫ですよ」と、何とも言えない返答をもらって(涙)結局はその映画をその日に友達と観た(もちろん二人で…客席は300位の貸し切り)のだった。
後にオムニバス映画の中の舞台になったり改築したりした劇場だけれど、私が覚えているその劇場は、昔の反映を色濃く残した狭い国道に沿ったボロで、トイレも広くて怖ければ、大型トラックが往来すると「振動がリアルじゃん!」なアトラクション的な要素もあったかもしれない(笑)
6歳離れた弟は、そのボロい映画館で(田舎は抱き合わせが異常に素敵だった…)観たい映画の同時上映で「ヘルレイザー」を『たった独り』で観て、いまだに恐怖を反芻している。